善人なおもって往生を遂ぐ、いわんや悪人をや【第3章】
(善人でさえ浄土へ生まれることができる、ましてや悪人は、なおさらだ)
万のこと皆もって そらごと・たわごと・真実あることなし【後序】
(この世のことすべては、そらごとであり、たわごとであり、まことは一つもない)
誤解に満ちた歎異抄
善人なおもって往生を遂ぐ、いわんや悪人をや。
善人でさえ、浄土へ生まれることができるのだから、ましてや悪人は、なおさら往生できる)
これは『歎異抄』3章の一節です。日本の古典で、もっとも知られる一文でしょう。
歎異抄の構成
『歎異抄』は18章から構成されています。
1章から10章までは、親鸞聖人の直のお言葉を、そのまま記したものとなっています。
11章から18章は、その聖人の教えをもととして、当時流布していた異説の内容と誤りを、『歎異抄』の著者が正したものです。