歎異抄(なぜ、善人よりも悪人なのか)

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第7章 弥陀に救われた人、について言われたもの

原文

念仏者は無碍の一道なり。そのいわれ如何とならば、信心の行者には、天神・地祇も敬伏し、魔界・外道も障碍することなし。罪悪も業報を感ずることあたわず、諸善も及ぶことなきゆえに、無碍の一道なり、と云々。

意訳

弥陀に救われ念仏する者は、一切が障りにならぬ幸福者である。

なぜならば、弥陀より信心を賜った者には、天地の神も敬って頭を下げ、悪魔や外道の輩も妨げることができなくなる。犯したどんな大罪も苦とはならず、いかに優れた善行の結果も及ばないから、絶対の幸福者である、

と聖人は仰せになりました。